ブルガリアその1
いまブルガリアの写真をまとめています。

写真を見るたびに出るため息。
何のため息かというと、後悔のため息なのです。
もっとたくさん写真を撮ればよかった…という。
初めてのガチガチの旧共産主義国家で
完全にビビって自分を見失っていたのです。
アフガニスタンやらを越えてきても
あの空間にはビックリしてしまった。。。
いま行けたら、たくさん撮りたいものがあります。


思い出せば、アジアを横断して、イスタンブールに着き、
アフリカ大陸かヨーロッパ大陸か、
どちらにしようか迷った結果、
東欧経由でロンドンを目指そうと思ったのです。

で、オカネがない私はエディルネという
ブルガリア国境の町まで行ってヒッチハイク。
ガイドブックも持っていなかったので
どんな世界が広がるか、とてもとても楽しみでした。

国境ゲートで捕まえたのは、
ハスコヴォという町の横の村に住む小太りの男。

乗せてくれたのでてっきり話が弾むかと思ったのも束の間
無言…。
お互い英語力がなかったんだけれども
アジアとかだと、それでも何とかコミュニケーションを取ろうと
あれこれ話してくる。

でも、それがまったくない。
後から考えれば、それが旧共産主義の国民なのです。
めったにない笑顔。
騙し合いと化かし合いの数十年は
彼らから笑顔と積極性を奪ってしまったのです。

目の前には北海道のような広大な緑の丘。
それがゆっくりゆっくり流れてゆくわけです。
「あ、ブルガリアヨーグルトだ」
そんなことを思いながら、カーブのたびに
新しい丘が現れては消えてゆく。


途中、そのドライバーの家に寄ったのだけれども、
舗装などまったくない村。
招かれた家は、ブドウ棚を備えた
新彊ウイグル自治区や中央アジアを思わせる
葡萄棚が庭に広がる家。
昼間からワインで顔を赤らめたシワが人生を物語る
爺さんたちがたむろしていた。
もちろん笑顔は少ない。

ドライバーの小太りの男は「ハスコヴォまで連れて行く」とだけ言い
無言のドライブ。

着いたハスコヴォはこれでもかという旧共産主義の都市。
直角以外の要素は、弛んだ電線と剥げたアスファルト、
そしてまばらに動く人くらい。
ほとんどが灰色と茶色。そして5月だから緑色。
残念ながら天気が芳しくなく、空まで鉛色だった。

夕暮れが迫っていたので、私はガソリンスタンドの店員に
「テントを張っていいか?」と聞き野宿した。
夜中、雨が降ってきた。
寒かったのでガソリンスタンドに入れてもらう。
25歳というアルバイト君はカーセンサーのような雑誌を見ながら
「この車がほしい」「あの車はダサイ」と
私の25歳の時と似たことを言っていた。
夜中のガソリンスタンド、
ちょっとだけ笑顔と出会うことができたのだった。

(つづく)
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