バンデアミール湖の記憶(アフガニスタン)
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管理人事後補足
アフガニスタンの写真」コーナーに
バンデ・アミールの写真」をアップしました。
当エントリと併せてご覧いただければ幸いです。
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バーミヤンの奥に
それはそれは美しい湖があるという。
名前は、バンデアミール。
もちろん、向かうことにした。

砂と土が繰り返される風景。
運転手も、轍だけを頼りにハンドルを握る。
緑でもあれば轍が鮮明に見えるのだが、
砂と礫ばかりでは、心細いことこの上ない。

人の気配がない村や、地雷原をいくつか通り越したとき、
「あれだ」と言われ、振り向いた。
砂漠の真珠。
そう言われているバンデアミールだが、
砂漠のアメジストにしか見えなかった。

DSCN4733.jpg

天候は曇。
朽ち果てたモスクが濃紫の水面に反射していた。

湖に近付くごとに天候が回復し始める。
すると、先ほどまで紫色だった湖が
ラピスラズリ色に輝き始めた。

その色の変化は、人間の認識力を超越しているため
目の前で実際に起こると
感動的な言葉を並べるような余裕はない。
冷静に変化だけを表現するなら、むしろ、
白々しいCGを見ているかのような変わり方だったかもしれない。
紫色の水が濃紺の水に塗り替えられてゆく光景は
日本で育った人間にとって、自然なのか不自然なのか
理解ができない光景だったからだ。
すべてがラピスラズリに塗り替えられてから、
あぁ、太陽の光の加減で色が変わるんだ、と理解ができた。
だが、そんなことはただの理屈でしかない。
世界でここだけの、人間の認識力を超越した、自然のアートだった。

到着すると何人かのアフガニスタン人がピクニックに来ていて
ラピスラズリ色の湖に入っていく。
人前で裸になる文化でない上に、川が干上がった国。
もちろん、水泳などできない。
腰に紐が付いていた。

モスクの裏にある丘へ登ると、
ラピスラズリとは異なる宝石が輝いていた。
ターコイズブルーの湖があるではないか。

DSCN4777.jpg

美しくも破壊的な風景。
戦乱と地雷がこの国のインフラを低下させ、
人はおろか、アスファルトや電線もなく、
皮肉なことに100%大自然に近い形で、
バンデアミール湖は昔からの姿をとどめているのだった。

数時間滞在し、帰る時、とある村を通りかかった。

DSCN4808.jpg

戦車が死んでいた。
2004年4月。タリバンが衰退し、
混乱後、初めての選挙が実施されるという時期だけに
私にはそれが平和が近付いている象徴に見えた。

ここは、アフガニスタン。
事態はそんなに甘くはなかった。

いま、また、新しい戦車が次々と死んでいるのだろう。
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近況報告
ただいまサイトの更新が
急な引越しなど、用事が多くて止まっております。
早々にも復帰したいのですが…。
いま、しばらくお待ちください。
あと、今後の予定としては
2月の中旬に大連に行ってきます。
今回は旅でなく出張ですが
いろいろ写真も撮れたら撮ってきます。
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