2009年国慶節、中国政府は北京五輪に続いてヨウ化銀散布の人工降雨を決行した。before→afterの実例。

北京、国慶節2009年の人工降雨

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人工降雨

北京 国慶節
中国/2009年

記憶に新しい北京オリンピック開会式の人工降雨作戦。それから1年余り。中国共産党は、北京五輪よりも重視している国慶節の建国60周年記念行事において、再び人工降雨作戦を決行した。当日の天気予報は降水確率30%。しかしながら、輸送機18機、消霧車48両を投入し、人工降雨作戦を決行したことで、抜けるような快晴の青空を手に入れたのだった。

ダイジェストで伝えると、前日の様子は、右上の写真が示す通り、かなり霞がかかった状態だった。雨こそ降っていなかったものの、気象的には「曇」で、霧のため視界がクリアではない。もし、この日の状況で開催されていたら、天安門から北京飯店も毛主席記念堂もおぼろげにしか見えない状況で、もやの中のニュースとなっていたに違いない。

しかしながら、10/1と10/2は結果的に、滅多にないほど快晴となった。右中の写真が10/1のもの、右下の写真は10/2のもので、両日ともに相当な晴れ具合だったことが分かる。この3枚の写真は、北京の西単付近にある茶色い同一の建造物を撮影したものだが、ものの見事に視界のクリアさが違うことはご理解いただけるだろう(焦点距離が違うことはご容赦ください/当方の失敗…)。また、9/30はほぼ無風の日だったが、10/1と10/2の両日ともに、やや強めの風が吹いていた。これは確証は取れていないが、消霧車の影響かもしれない。

消霧車とは、トラックの荷台にジェットエンジンを備え付けたもので、人工的に強い風を起こす機械である。10台ほどが一列となり、稼働することで霧を消すことが可能だという。その消霧車が48台使用されたとすれば、このクリアな視界と強風は納得できる。

そもそも、過去の10/1の気候は、降水量が少ないものの小雨の日や霧の日が多く、過去の軍事パレードでも大雨が降った記録が残されている。例えば、1976年は9/30から10/2まで、雨が降り続け、降水量は40.5ミリに達したという。10年前の建国50周年のときも前日の夕方から当日の早朝まで雨が降り続き、事前準備に影響を及ぼした。このように、例年の10/1は気温こそ快適なものの、雨の可能性は拭いきれないだけに、当局は開催前から人工降雨について、実施する旨を述べていた。

建国60周年の前日から開催日までの状況を時系列で整理する。
前日は曇。風はなく、霧が濃かった。太陽がなんとなく見える状況(日食なら観測に最適な状況だったかもしれない)だったので、低い層に蒸気がたまっていたはず。また、霧だけに湿度も高かった。この状況は夜まで続いた。
もやがかかった北京の町は日頃からあり得る風景だが、ビルやアパートに一切灯りがともっていない状況は、とても異様だった。遅めの夕食後、23時くらいに宿へ戻ろうとしている時に、最初の雨がぽつりぽつりと降り出した。その後は、宿に帰って睡眠。

人工降雨前9/30の北京市内の写真▲9/30 12:41、地下鉄「菜市口」駅上の交差点から北向き。35mm換算焦点距離76mm、1/2500秒、f3.3、0EV、ISO400で撮影。
人工降雨後、10/1の北京市内の写真▲10/1 15:05、地下鉄「菜市口」と「長椿街」駅の間にある故同から東向き。35mm換算焦点距離28mm、1/1250秒、f3.2、+0.7EV、ISO200で撮影。
人工降雨後10/2の北京市内の写真▲10/2 12:33、地下鉄「菜市口」駅上の交差点から北向き。35mm換算焦点距離28mm、1/2500秒、f2.8、0EV、ISO100で撮影。(電柱の右側に見える茶色の建物で比較すると分かりやすい。9/30の写真と焦点距離が異なるため、こちらの方が遠方に見えるが、実際は同じくらいの距離で撮影している)
起床後にテレビを観ると、2時くらいの内容では雨が降っていたようで、レインコートを着た学生たちがパレードに向かっていた。また、同様に4時くらいまでの様子でも雨が降っている模様だったが、空が白んでくる頃には雨が降っていなかった。
その後は、テレビでも映されていたように、雲が午前の段階でほとんどなくなり、10/3まで快晴が続いた。

私の勉強不足かもしれないが、人工降雨はもっと派手なものかと思っていた。大気中の水蒸気がヨウ化銀に集まって降雨する仕組みを想像すると、ドシャッという感じでゲリラ豪雨的に降雨するのだと思っていた。しかしながら、おそらく23時から4時まで降った雨は少量のようで、しかも朝7時の時点では路面が濡れてもいなかった。
北京オリンピックの際、私は現地にいなかったので知る由もないのだが、こんなに少量の降雨で、あれだけの快晴を何日も手に入れられるだろうか。滅多に機会はないとは思うが、今後とも当サイトでは、人工降雨の現場をレポートしていきたい。


人工降雨/北京 国慶節

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